障害馬術

決められたコース上に設置された障害物を飛越します。
それらを障害物の落下や馬が嫌がる不従順などのミスなく行なうことが求められます。
競技レベルは障害物の大きさによって決まり、全日本学生では130㎝の高さの障害物を飛越します。
選手と馬の息の合ったジャンプが見どころです。

障害飛越競技の主なルール

飛越する順番・タイム

通常の障害飛越競技では飛越する障害物の順番が決められています。
選手は競技開始前に設けられている「下見」の時間でコース内を歩き、事前に順番を覚え、作戦を立てることができます。
また、多くの競技において「基準タイム」が設けられています。
基準タイムをオーバーしてゴールを切ると、超過した分だけ「タイム減点」と呼ばれる減点がついてしまいます。たとえ障害物を落下させず減点ゼロ(満点)でゴールしても、タイムが遅いと減点されてしまいます。

選手の出場順

競技でどの選手(人馬)が出場するか、その順番も予め決まっています。
競技が始まると出番1番の選手が入場。1番の選手がゴールを切る(または失権する)と次の選手が入場して障害に向かっていきます。

主な障害物

障害飛越競技では様々な種類の障害物を飛越します。

「垂直障害」はバーが1列だけの障害物で、馬の飛越力(高さ)が問われます。
「オクサー障害」はバーが2列に並んでるため奥行きがあります。垂直障害より大きな飛越が求められます。
「コンビネーション障害」は垂直やオクサー障害が連続して並ぶ障害。1つ目の入りをスムーズにしなければ、2つ3つと続く障害物を越えることができません。
「水豪障害」は水たまりを飛び越えていくイメージ。高さはありませんが奥行きが広いので思い切った飛越が求められます。水豪の場合は落下がなく、代わりに着水(馬の脚が水についてしまう)と減点になります。

減点対象・失権

障害飛越競技では障害物の落下、障害物の飛越拒否(不従順・反抗)、基準タイムオーバーでのゴールが減点対象となります。
1落下につき4点、飛越拒否も1回につき4点減点。
ただ近年のルールでは2回目の飛越拒否をした段階で「失権」となります。
失権した人馬はその時点で走行終了となり、それまでの成績もつかず失権理由のみが結果表に掲載されます。
また、走行中に落馬してしまった場合も、その時点で落馬失権となります。

減点せずに減点ゼロでゴールすることを「満点」や「満点走行」と呼びます。

優勝決定戦・ジャンプオフ

障害飛越競技において、減点ゼロ(満点)でゴールした選手が複数名いる場合もあり得ます。
その際、競技によって優勝決定戦(ジャンプオフ)を行なうことで上位の順位を確定させます。

ジャンプオフでは最初に回った経路を短縮させ、減点と走行タイムの速さを競います。
小回りや瞬間的なダッシュ力が問われるため、見応え抜群です!
競技レベルが高い場合、減点よりも更にシビアなタイム勝負になります。
1秒、あるいはそれより僅差で優勝が決まることも珍しくありません。